読書スピードと理解度をコントロールすることが重要

速読というと、「いかに速く読むか」ということに重点が置かれ気味で、そのための眼球トレーニングや能力開発トレーニングなどを必死に行っている人もいると思いますが、それ以上に重要なのが「理解度とスピードをコントロールする」という考え方です。

本一冊の内容の全部が全部大事ということは、教科書のようなものを除けばまずありません。「大事な内容でしっかり読むべきところ」と「特別大事ではなく読み飛ばしても問題ないところ」とに分けることができ、前者が2割で後者が8割ぐらいだと思ってください。内容に応じて、読むスピードのギアをチェンジするのです。

本当に大事なところは、80%~100%の理解度で読む必要があるでしょう。なので、基本は「熟読」になります。一方で、特に大事ではないところを熟読するのは時間の無駄です。30%ぐらいの理解度で軽く読み流しても全体の理解にはほとんど影響しません。

むしろ、最初から最後までじっくりと熟読するよりも、「大事なところは熟読、そうでないところは速読」というようにメリハリをつけることで、大事なところがより一層理解しやすくなります。全部をしっかり読んでしまうと、大事な部分がそうでない部分に埋もれてしまい、「結局何も残らない」という状況になってしまいがちなのです。

この「理解度とスピードのコントロール」という概念は、読書戦略上とても大切です。自分の仕事に直結する本の場合には熟読すべき箇所も増えるでしょうし、軽く読めるエッセイなどは速読で十分なところがほとんどということもあるでしょう。一冊の中でも、第一章はプロローグ的な内容でほとんど速読で十分ということもあれば、中心的な章ではほとんど熟読が必要ということもあります。

自分がもともと持っている知識や経験が多い分野の本では、速読で読み進めながら、未知の概念や方法論などに出会ったらスピードを落として熟読をするという読み方もできるでしょうし、難解な本であれば最初から速読はあきらめて熟読する必要もあります。

本によって、知識によって、内容によって、章によって、目的によって、「スピードと理解度をコントロールし、熟読と速読を使い分ける」ということが、本を読む上でとても重要なスキルになります。逆に言うと、このメリハリの付け方をマスターできれば、ひたすらスピードだけを目指すだけの速読など、まったく不要になります。

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