速読をするために見落とされがちなポイント

速読をする際、とても重要な、しかし見落とされがちな概念があります。それは「スキーマ」と呼ばれるもので、「新しい経験をする際に、過去の経験に基づいて作られた心理的な枠組みや認知的な構えの総称(三省堂 大辞林)」のことです。

誰でも、良く知っている分野の本は速く読め、全く知らない分野の本を読むのは遅くなります。これは、知らない分野の本を読む時には、認知的な枠組みや構えが無いため理解するのに時間がかかり、良く知っている本であれば、その枠組みがすでにできているため理解が速いのです。これを無視して、どんな本でも同じように速読ができる、ということはありません。不得手な分野の本、まったく事前情報がない分野の本は、どうしても速読では難しいのです。

そこで、はじめて触れる分野については、入門書から入りましょう。漫画で書かれているものでもいいですし、子供向けの本でも構いません。その分野の全体像や基本的な用語になじみをつけるということが目的です。入門書によって、ごく簡単なスキーマが形成されるのです。この時、傾向として、大学教授などの専門家が書いた「入門書」は不向きなことがあります。専門書数冊の内容を無理に新書1冊に収めようとすることで、かえって難しくなっていることがあるのです。素人に物事をわかりやすく伝えることを職業としている人の解説書などの方が、最初の1冊目としては適していることが多いです。

あるいは、最近では本の要約などもとても多いので、インターネット上でそうしたものに目を通すのもいいでしょう。あくまでも「概要を大まかに把握する」ことが目的なので、要約でも問題ありません。

入門書で基本的なスキーマが形成されると、読書スピードは上がっていきます。それから、難しい本での速読トレーニングも兼ねて専門書を繰り返し読んでみましょう。読書力がどんどん鍛えられていきます。

 

 

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